パワハラ加害者へのカウンセリングとは|何をする?再発防止と行動改善のための個別支援

「パワハラ行為者にカウンセリングを受けてもらいたい」と考えたとき、企業担当者からは「具体的に何をするのですか」「本人を反省させるのでしょうか」「通常のハラスメント研修とは何が違うのでしょうか」という疑問が聞かれます。

パワハラ加害者へのカウンセリングで重要なのは、本人を責め続けたり、決められた反省の言葉を言わせたりすることではありません。

本人自身の具体的な言動を振り返り、問題となった行動を理解し、同じ状況が起きたときに別の適切な行動を選択できるようにすること。これが再発防止に向けた個別支援の重要な目的です。

カウンセリングは「責任追及の続き」ではありません

問題発生後、本人はすでに事情聴取や会社からの説明、場合によっては処分などを経験していることがあります。

その後に行われるカウンセリングまで「あなたが悪かったと認めさせる場」になれば、本人は自分を守ることに意識が向きやすくなります。

再発防止の個別支援では、問題となった行為を曖昧にすることなく扱いながら、本人の人格全体を否定しません。

具体的な行動へ焦点を当て、「何が起きたのか」「そのとき何を考えていたのか」「他の方法はなかったのか」を整理します。

本人の話を聞くことは問題行動を正当化するためではありません。行動を変えるために、その行動がどのような認識から生じたのかを理解するためです。

パワハラ加害者更生カウンセリング研修で考えること

01問題となった場面を整理する

「パワハラをした」という抽象的な理解だけでなく、具体的な場面と言動を振り返ります。

02本人の認識を確認する

本人は何を目的とし、どのように状況を理解していたのかを確認します。

03行動の特徴を振り返る

どのような状況で焦りや怒りが強くなるのか、どのような相手との関係で言動が強くなりやすいのかを整理します。

04別の行動を考える

同じ状況が起きたときに使える言葉、伝え方、時間の取り方、相談方法などを具体化します。

05職場での実践につなげる

研修の中だけで理解して終わらず、実際の職場で何を変えていくのかを考えます。

本人の「性格を変える」研修ではありません

企業から「本人の性格を変えてほしい」という趣旨の相談を受けることがあります。

しかし、職場で必要なのは人格そのものを作り変えることではなく、問題につながった具体的な行動を変えることです。

責任感が強いのであれば、その責任感まで失わせる必要はありません。成果を求める姿勢が強いのであれば、その姿勢自体を否定する必要もありません。

その強みを活かしながら、相手への伝え方や関わり方をより適切なものへ変えていくことを考えます。

本人が納得していない場合にも対話の入口があります

本人が「自分はパワハラをしていない」と考えているケースもあります。

その場合に、最初から会社と同じ認識を持つことだけを求めると、対話が進みにくくなることがあります。

本人が納得できない部分についても確認しながら、具体的な行動へ焦点を移します。

「この言葉については変えることができる」「次回はこの方法で伝える」といった具体的な改善を積み重ねることができます。

一般的な集合研修との役割の違い

組織全体を対象とする対面式集合研修は、ハラスメントの基礎知識を共有し、ケーススタディを通じて職場全体で考えるために適しています。

一方、実際に問題となる言動が生じた方については、その方自身の行動や認識を扱う必要があります。

予防教育としての集合研修と、問題発生後の個別的な更生カウンセリング研修は、目的が異なります。

企業としては、組織全体への予防と、個別の再発防止をそれぞれ必要に応じて考えることが重要です。

カウンセリングを「罰」にしない

本人への説明も重要です。

「問題を起こしたからカウンセリングを受けなさい」とだけ伝えると、本人は追加の処分として受け止めることがあります。

再発防止と今後の行動改善を目的とすること、職場で再び適切に役割を果たすための機会であることなど、導入の目的をできる限り明確にすることが望まれます。

当協会のパワハラ加害者更生カウンセリング研修

一般社団法人パワーハラスメント防止協会では、対象となる方に合わせた個別のパワハラ加害者更生カウンセリング研修を実施しています。

本人との対話を通じて問題となった言動を整理し、本人の認識や行動の特徴を振り返りながら、再発防止につながる具体的な行動改善を支援します。

「本人が納得していない」「管理職として再び職務を担うための支援が必要」「処分後の教育方法を検討している」といったケースについてもご相談いただけます。

企業と本人の双方にとって「その後」をつくる

問題が起きた人をそのまま職場へ戻すだけでは、企業側にも本人側にも不安が残ることがあります。

一方で、過去の行為だけを繰り返し指摘し続けても、新しい行動を身につけることにはつながりません。

過去の問題には向き合いながら、これから職場で何を変えていくのかを具体的にする。そのための個別支援として、更生カウンセリング研修を活用することができます。

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