2026/10/23
職場でパワハラに関する問題が起きたとき、企業には事実関係を確認し、状況に応じた対応を行うことが求められます。しかし、目の前の問題への対応が終わったことと、再発防止ができたことは同じではありません。
同じ問題を繰り返さないためには、「何が問題だったのか」「なぜその行動が起きたのか」「次に同じ状況が起きたらどう行動するのか」を具体的に考える必要があります。
「注意した」「処分した」だけで再発防止になるとは限りません
問題となった言動について本人へ注意し、必要な対応を行うことは重要です。
しかし、本人が「自分はパワハラをしたと言われた」ということだけを受け取り、具体的にどの行動をどのように変える必要があるのか理解できていなければ、今後の行動改善につながりにくくなります。
また、「二度とやらないように」と伝えるだけでは、同じような状況が再び起きた際に、本人が代わりにどのような対応を取ればよいのか分からないことがあります。
再発防止で整理したい4つの視点
本人の人格全体を問題にするのではなく、どの場面のどの言動について改善が必要なのかを具体的にします。
本人が当時何をしようとしていたのか、どのような状況にあったのかを確認します。意図だけで問題の有無が決まるわけではありませんが、行動を変えるためには背景を理解することも重要です。
同じ状況になったとき、「その言動をしない」だけではなく、代わりにどのような言葉を使い、どのように対応するのかを具体的に考えます。
個人の行動だけでなく、業務負荷、役割の曖昧さ、管理職への支援、職場コミュニケーションなど、組織として見直せる点がないかも検討します。
再発防止研修と一般的なハラスメント研修は目的が異なります
全社員向けのハラスメント防止研修は、問題を未然に防ぐために基本的な知識や行動を共有することが主な目的になります。
一方、実際に問題が生じた後の再発防止では、より具体的な行動を振り返り、本人が今後どのように行動を変えるかを考える必要があります。
そのため、一般的な集合研修を受講させるだけで十分とは限りません。
状況によっては、個別的な振り返りや教育、継続的な支援など、本人の課題に合わせた方法を検討する必要があります。
「反省しているか」だけで評価しない
再発防止を考える際、「本人が十分反省しているように見えるか」が重視されることがあります。
しかし、表情や言葉だけではなく、本人が問題となった行動をどのように理解し、今後どのような行動へ変えていこうとしているのかを見ることが重要です。
再発防止では、抽象的な反省だけではなく、具体的な行動変容へつなげる視点が必要です。
管理職教育へつなげることも重要です
一つの問題が起きたとき、それを特定の個人だけの問題として終わらせるのではなく、他の管理職にも共通する課題がないかを考えることがあります。
例えば、部下への指導方法、感情が高まった際の対応、相談方法、管理職自身が困ったときに支援を求める方法などです。
個別の事案をそのまま社内研修で公開するのではなく、個人が特定されないよう一般化したケースへ置き換えることで、組織全体の学びにつなげる方法もあります。
再発防止を「監視」だけにしない
再発を防ぐために、その後の状況を確認することは必要です。
一方で、本人が「常に監視されている」と感じるような状態だけをつくっても、自ら行動を振り返り改善することにはつながりにくい場合があります。
何を改善するのか、どのような状態を目指すのか、困ったときに誰へ相談できるのかを共有し、改善を支える視点を持つことも重要です。
パワハラ再発防止を「次の行動」へつなげる
問題が起きた後に必要なのは、「二度と問題を起こさないように」と本人へ伝えるだけではありません。
問題となった行動を理解し、別のコミュニケーション方法を身につけ、必要な場合には相談できる状態をつくる。そして組織側も、同じ問題が生じにくい職場環境を考える。
一般社団法人パワーハラスメント防止協会では、企業・団体の状況を伺いながら、パワハラ防止研修、管理職教育、再発防止に向けた支援をご提案しています。
パワハラの再発防止についてご相談ください
問題発生後の研修、管理職教育、行動改善、再発防止の進め方など、企業・団体の状況を伺いながら必要な取り組みを検討します。
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