パワハラ加害者への対応|会社は何をすべきか?処分だけで終わらせない再発防止

職場でパワーハラスメントの問題が生じたとき、企業には被害を訴えた職員への配慮、事実関係の確認、必要な措置、職場環境の改善など、さまざまな対応が求められます。

そして、もう一つ忘れてはならないのが、行為者とされた社員・管理職に対して、その後どのような働きかけを行い、再発防止につなげていくのかという視点です。

注意や処分を行ったことで会社としての対応がすべて終了するとは限りません。本人が問題となった言動をどのように理解し、今後同じような状況に直面したときにどのような行動を選ぶのかまで考えることが、実際の再発防止には重要です。

パワハラ問題への対応は「処分」で終わるものではありません

問題となる行為が確認された場合、企業として就業規則等に基づき必要な対応を検討することがあります。

しかし、処分や注意は、本人に対して「会社としてこの行為を問題と考えている」と示すことはできても、それだけで本人のコミュニケーション方法まで変わるとは限りません。

本人が「なぜ問題になったのか分からない」「仕事上必要な指導をしただけだ」と考えたまま職場へ戻ることもあります。

反対に、「もう部下には何も言わない方がいい」と考え、必要な指導まで避けるようになることもあります。

再発防止で目指したいのは、「怖いから何もしない」ことではなく、問題となった行動を理解し、必要な場面でより適切な行動を選択できるようになることです。

行為者への対応では「人」と「行動」を分けて考える

「あなたはパワハラ加害者だ」と人物全体を評価するだけでは、本人が具体的に何を変えればよいのか分からなくなることがあります。

再発防止のためには、問題となった具体的な行動へ焦点を当てることが重要です。

どの場面で何が起きたのか

誰に対して、どのような状況で、どのような言葉や態度を取ったのかを整理します。

本人は何を目的としていたのか

業務改善を求めていたのか、期限を守らせたかったのか、ミスを繰り返してほしくなかったのかなど、本人がその行動を選んだ背景も確認します。

その目的に対して方法は適切だったのか

業務上必要な目的があったとしても、相手の人格を否定する必要はありません。目的と手段を分けて振り返ることで、改善点を具体化します。

次回はどのように対応するのか

同じ状況が再び起きた場合に使う言葉、伝える場所、感情が高まった場合の対応、相談先などを具体的に考えます。

本人の説明を聞くことも再発防止の一部です

行為者とされた方の説明を聞くことは、問題となった行為を正当化するためではありません。

本人が何を考えていたのかを把握しなければ、なぜその行動を選択したのか、何を変える必要があるのかを十分に整理できない場合があります。

「そんなつもりではなかった」という説明があれば、その意図を確認しながら、実際の言動や相手への影響とは分けて考えます。

意図だけで問題の有無を決めるのでもなく、本人の説明を最初から退けるのでもなく、具体的な行動を一つずつ振り返ることが大切です。

被害を訴えた方への配慮と行為者への支援は両立できます

被害を訴えた職員の安全と尊厳を守り、必要な配慮を行うことは、企業のハラスメント対応における重要な前提です。

同時に、行為者とされた方についても、問題となった行動を説明する機会、改善する機会、相談する機会を設けることは、再発防止を進めるうえで重要です。

行為者への教育や支援は、問題となった行為を軽く扱うことではありません。

本人に必要な責任を求めながら、同じ問題を繰り返さないための具体的な行動変容を支援する取り組みです。

一般的なハラスメント研修とは異なる個別支援が必要な場合があります

組織全体の予防教育として、ハラスメントの基礎知識や適切なコミュニケーションを学ぶ集合研修には重要な役割があります。

一方、すでに特定の方について問題となる言動が生じている場合には、一般的な事例だけではなく、その方自身の認識や行動を扱う必要があります。

何が起きたのか、本人はどう受け止めているのか、どのような状況で言動が強くなりやすいのか、今後どのような行動を選べるのか。

こうした内容は、本人と個別に対話しながら整理することが適している場合があります。

パワハラ加害者更生カウンセリング研修という選択肢

一般社団法人パワーハラスメント防止協会では、パワハラ行為者とされた方を対象として、再発防止と行動改善を目的とした個別の「パワハラ加害者更生カウンセリング研修」を実施しています。

一方的に反省を求めるのではなく、本人との対話を通じて問題となった言動を振り返り、本人の認識やコミュニケーションの特徴を整理しながら、今後の具体的な行動改善につなげていきます。

処分後の教育方法に悩んでいる場合、本人に問題行動への理解を深めてもらいたい場合、管理職として適切な指導方法を身につけてもらいたい場合など、企業・団体の状況に応じて個別に検討します。

企業として行為者の「その後」まで考える

パワハラ問題への対応は、過去の行為に対する対応だけではありません。

本人が職場へ戻った後、どのように周囲と関わるのか。必要な指導を適切に行えるのか。判断に迷ったときに相談できるのか。そして、問題となった行動を繰り返さないための方法を本人自身が持っているのか。

そこまで考えることで、再発防止は「二度としないように」という注意から、具体的な行動改善へ変わっていきます。

パワハラ行為者への再発防止支援をご相談ください

処分後の教育、本人への個別研修、管理職としての行動改善など、企業・団体の状況を伺いながら支援内容を検討します。研修の実施を決める前の段階でもご相談いただけます。

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