2026/10/05
「パワハラと言われるのが怖くて、部下へ厳しいことを言えない」「注意する必要があると思っても、問題になることを考えると躊躇してしまう」。ハラスメントへの意識が高まる中で、このような悩みを抱える管理職もいます。
しかし、ハラスメントを防止することと、業務上必要な指導を行わないことは同じではありません。
管理職には、部下の人格や尊厳を大切にしながら、仕事上必要な改善を適切に伝える役割があります。ハラスメント防止教育では、「何を言ってはいけないか」だけでなく、「必要なことをどのように伝えるか」まで学ぶことが重要です。
「パワハラをしない」が「何も言わない」になっていませんか
ハラスメント防止を強く意識するあまり、管理職が必要な注意や指導まで控えてしまうことがあります。
しかし、業務上の問題が放置されれば、同じミスが繰り返されたり、周囲の社員へ負担が集中したり、職場のルールが曖昧になったりすることがあります。
また、適切に仕事をしている社員から見れば、「なぜ問題のある行動について管理職は何も言わないのだろう」と感じることもあるでしょう。
管理職が指導を避けることが、必ずしも働きやすい職場につながるわけではありません。
適切な指導では「人」ではなく「行動」を扱う
部下の仕事に改善が必要な場合、本人の人格や能力全体を評価するのではなく、具体的な行動や業務上の事実について伝えることが重要です。
例えば「あなたは仕事ができない」と言われても、本人は何を改善すればよいのか分かりません。
一方、「昨日の報告では必要な確認項目が二つ抜けていました。次回から提出前にこの項目を確認してください」と伝えれば、問題となっている事実と期待される行動が明確になります。
指導の目的は、相手を傷つけたり服従させたりすることではありません。業務上必要な改善を促し、本人が次の行動を取れるようにすることです。
感情だけで注意するのではなく、いつ、何が起き、どの点に改善が必要なのかを確認します。
相手を責めることが目的になっていないか、何を改善してほしいのかを整理します。
人格ではなく、改善してほしい仕事上の行動を具体的な言葉で伝えます。
伝えて終わりにせず、理解できたか、その後どのように変化したかを確認します。
同じ注意でも伝え方によって受け止めは変わります
指導内容そのものに必要性があっても、多くの人の前で繰り返し強く叱責することで、本人に必要以上の心理的負担を与える場合があります。
今回改善してほしいことから離れ、過去の失敗や本人の性格まで批判するようになると、指導の目的が見えにくくなります。
管理職が把握していない事情がある可能性もあります。最初から結論を決めつけず、本人の説明を確認することも必要です。
「パワハラと言われたらどうしよう」という不安も研修で扱う
管理職向け研修では、制度や定義だけを説明しても、実際の指導に対する不安が解消されないことがあります。
「何度注意しても改善されない場合はどうするのか」「強く言わなければ伝わらない相手にはどうすればよいのか」「部下からパワハラだと言われたらどう対応するのか」。こうした現場の疑問について考える必要があります。
一般社団法人パワーハラスメント防止協会では、実際の職場で管理職が遭遇しやすい場面をケースとして取り上げ、講師と受講者が同じ場で考える対面式集合研修を大切にしています。
講師から答えだけを聞くのではなく、「自分ならどう伝えるか」「別の伝え方はないか」を考えることで、実務で使える判断力につなげます。
パワハラを恐れず、適切に指導できる管理職へ
ハラスメント防止研修の目的は、管理職の言葉を減らすことではありません。
必要な指導を行いながら、相手の人格を否定しない。感情だけで叱責せず、事実と改善点を伝える。本人の説明にも耳を傾ける。そして、指導後の成長や改善を確認する。
こうしたマネジメントを実践できる管理職を育てることが、ハラスメント防止と健全な職場づくりの両方につながります。
当協会では、企業・団体の職場課題や管理職が実際に抱えている悩みを確認し、ケーススタディを取り入れたオーダーメイドの対面式集合研修を設計します。
管理職の指導力を高める研修をご相談ください
「管理職がパワハラを恐れて指導できない」「必要な注意・指導の方法を学ばせたい」「自社で起こりやすいケースを研修で扱いたい」など、現在の職場課題からご相談いただけます。
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