2026/08/18
カスタマーハラスメント(カスハラ)対策を進めるなかで、 対応マニュアルの作成に取り組んでいる企業・団体も多いのではないでしょうか。
マニュアルは重要です。 しかし、本当に問われるのは 「実際にカスハラが起きたとき、その内容を現場で使えるか」 ということです。
マニュアルがあっても、現場では判断に迷います
カスハラ対応では、同じように見える事案でも、 顧客等の要求内容や言動、会社側の対応状況などによって判断が変わることがあります。
たとえば、現場では次のような場面が考えられます。
「お客様が大声を出している。これはカスハラなのか」
「会社側にもミスがある。どこまで謝罪や説明を続けるべきか」
「同じ要求を何度も繰り返されている。いつ対応を終了するのか」
「担当者では対応できない。どの段階で上司へ交代するのか」
「従業員が強いストレスを感じている。組織としてどう支えるのか」
こうした場面で、マニュアルを読むところから始めるのでは遅い場合があります。
重要なのは、あらかじめ組織として基本的な考え方を共有し、 「誰が」「どの段階で」「何を判断するのか」 をできるだけ明確にしておくことです。
「何がカスハラか」だけを決めればよいわけではありません
カスハラ対策というと、 「どこからがカスハラなのか」という線引きに注目しがちです。
もちろん判断基準を共有することは重要です。
しかし、企業として準備しておきたいのは、それだけではありません。
① 判断
正当な苦情・要望なのか、カスハラに該当する可能性があるのか。
② 初動対応
現場の担当者は、最初にどのような対応をするのか。
③ エスカレーション
いつ、誰に報告し、管理職や組織へ対応を引き継ぐのか。
④ 対応終了
繰り返しの要求や著しく不当な言動に、どこまで対応するのか。
⑤ 従業員への対応
カスハラを受けた従業員を、組織としてどのように支えるのか。
つまり、カスハラ対策では 「カスハラかどうかの判断」と「判断した後にどう動くか」 の両方を準備しておく必要があります。
従業員一人の判断にしない仕組みを
難しい顧客対応を、担当した従業員一人の経験や接客スキルに任せてしまうと、 判断や対応にばらつきが生じやすくなります。
また、従業員が 「自分が何とかしなければならない」 と抱え込んでしまうことにもつながります。
正当な苦情には誠実に対応する。 企業側に改善すべき点があれば改善する。
一方で、社会通念上許容される範囲を超えた言動については、 担当者一人に背負わせず、管理職や組織につなぐ。
そのためには、マニュアルの整備とともに、 従業員・管理職・組織それぞれの役割を共有しておくこと が大切です。
一般社団法人パワーハラスメント防止協会の「カスハラ大辞典」では、 カスハラの定義や判断基準、具体例、初動対応、管理職対応、 企業の体制整備などをテーマごとに解説しています。
カスハラ大辞典を見る ›マニュアルを「現場で使えるもの」にするために
マニュアルの内容を従業員へ配布するだけでは、 実際の場面で使える知識として定着しないことがあります。
そこで有効なのが、 具体的なケースを使って 「自分ならどう判断するか」「次に誰へつなぐか」 を考える研修です。
一般社団法人パワーハラスメント防止協会では、 カスハラの基礎知識や判断、初動対応を学ぶ標準プログラムに、 業種・業態に合わせたオリジナルのケーススタディやロールプレイングを組み合わせた セミオーダーメード型のカスハラ防止研修 を実施しています。
研修時間・対象者・業種などに合わせてプログラムを構成します。 ケーススタディやロールプレイングは、 実際の業務を想定した内容にすることができます。
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