「これはカスハラ?」現場で判断に迷う企業が決めておきたいこと

CUSTOMER HARASSMENT JUDGMENT
「これはカスハラ?」
現場で判断に迷う企業が決めておきたいこと

カスタマーハラスメント対策を進める企業から聞かれることの多い疑問の一つが、 「どこからがカスハラなのか」という問題です。

大声を出されたらカスハラなのか。 長時間のクレームならカスハラなのか。 会社側にミスがあった場合はどうなのか。

実際の現場では、単純に「○○をしたらカスハラ」と判断できないケースも少なくありません。

「大声=カスハラ」とは限りません

顧客等が大きな声で苦情を申し立てたからといって、 その事実だけで直ちにカスハラと判断できるとは限りません。

一方で、要求内容そのものには一定の理由があったとしても、 その要求を実現するための言動や手段が社会通念上許容される範囲を超えていれば、 カスハラに該当する可能性があります。

そのため、 「声が大きかったか」「何分続いたか」といった一つの要素だけで機械的に判断しないこと が大切です。

見るべきなのは、一つの言動だけではなく、
「誰から」「何を求められ」「どのような言動があり」「従業員の就業環境にどのような影響があるか」です。

カスハラを考えるときの3つの視点

現場で判断するときには、少なくとも次のような視点から 事実関係を整理することが重要です。

POINT 01
誰からの言動か

顧客、取引先、施設利用者など、業務との関係においてどのような立場の相手からの言動なのかを確認します。

POINT 02
要求と手段・態様

何を求めているのかだけでなく、その要求を実現するためにどのような言動・手段が用いられているのかを確認します。

POINT 03
就業環境への影響

その言動によって、従業員が業務を続けるうえで看過できない支障が生じていないかを考えます。

会社側にミスがあったら、カスハラではない?

ここも、現場で判断に迷いやすいポイントです。

会社側に商品やサービス上の不備があり、 顧客等が説明や謝罪、合理的な対応を求めること自体は、 当然にカスハラになるものではありません。

企業側に改善すべき点があれば、誠実に対応する必要があります。

しかし、 企業側にミスがあることと、相手のあらゆる言動を受け入れなければならないことは別の問題 です。

必要な説明や謝罪を行っても、長時間にわたり同じ要求を繰り返す

担当者の人格を否定するような発言を繰り返す

合理的な範囲を超えた金品や特別扱いを要求する

従業員個人を執拗に責め続ける

威圧的な言動によって要求を通そうとする

こうした場合には、 要求の内容だけでなく、 言動の態様や程度、継続性なども含めて考える必要があります。

「カスハラかどうか」を従業員一人に決めさせない

カスハラ対策で避けたいのは、 最前線の従業員に 「あなたがカスハラかどうか判断してください」 とすべてを委ねることです。

難しい事案ほど、その場にいる従業員だけでは判断できないことがあります。

だからこそ企業側で、 「迷ったときに誰へ報告するか」「誰が最終的に判断するか」「どの段階で対応を交代するか」 を決めておくことが重要です。

現場担当者
事実を確認し、定められた初動対応を行う。

管理職
状況を整理し、必要に応じて対応を引き継ぐ。

組織
難しい事案について判断し、従業員保護や今後の対応方針を決める。

こうした役割分担が明確になっていれば、 従業員は「自分一人で決めなければならない」という負担を抱えにくくなります。

CUSTOMER HARASSMENT DICTIONARY
カスハラの判断基準を、さらに詳しく確認する

一般社団法人パワーハラスメント防止協会の「カスハラ大辞典」では、 カスハラの定義、判断の考え方、具体例、正当なクレームとの違い、 初動対応などを体系的に解説しています。

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判断基準は「知る」だけでなく、ケースで共有する

判断基準を社内で共有するときに有効なのが、 実際の業務に近いケースについて 従業員や管理職が考えることです。

たとえば、 「このケースではどこまで対応するか」 「どの時点で管理職へ交代するか」 「会社側にもミスがあった場合はどうするか」 といった具体的な場面を使うことで、 判断基準を実務へ落とし込みやすくなります。

一般社団法人パワーハラスメント防止協会では、 基礎知識・判断・初動対応を学ぶ標準プログラムに、 業種・業態に合わせたオリジナルのケーススタディやロールプレイングを組み合わせた セミオーダーメード型のカスハラ防止研修 を実施しています。

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