2026/10/27
パワハラ問題が生じた後、企業が検討する対応の一つに、配置転換や役職の変更があります。
被害を訴えた方の職場環境への配慮などから、人事上の対応が必要になるケースもあります。
しかし、異動や降格によって職場環境を変えることと、本人自身の行動が変わることは同じではありません。
企業が再発防止を考えるのであれば、人事上の対応を行った後の教育や行動改善についても検討する必要があります。
人事措置と行動改善は目的が異なります
配置変更や役職変更などについては、事案の内容、職場の状況、就業規則等を踏まえ、企業が適切に判断する必要があります。
ここで大切なのは、その判断とは別に、本人の行動改善という課題が残る場合があることです。
異動先で同じコミュニケーションを続ければ再発する可能性があります
例えば、部下が期待どおりに動かないときに強く叱責するという行動が問題となった管理職が、別部署へ異動したとします。
部署が変われば、以前の部下との関係は変わります。
しかし、本人自身が問題となった行動を振り返っていなければ、新しい職場で同じような状況に直面した際、以前と同じ方法を使う可能性があります。
再発防止には、「人を離す」だけではなく、「本人の行動を変える」という視点が必要です。
管理職から外れれば問題はなくなるのでしょうか
管理職から外れることで、部下を直接指導する機会が減ることはあります。
しかし、職場では同僚、後輩、他部署、取引先など、さまざまな人とのコミュニケーションがあります。
また、将来的に本人が再び管理職を担う可能性もあります。
そのため、役職の変更だけでなく、問題となった行動を本人が理解し、今後のコミュニケーションを見直す機会を設けることには意味があります。
異動・降格後に考えたいこと
「異動になった」という結果だけではなく、その背景にある具体的な言動について理解できているかを確認します。
指導方法、他者への伝え方、感情が高まった際の対応など、本人が実践する行動を具体化します。
本人が判断に迷った際に、一人で抱え込まず相談できる場所を明確にすることも再発防止になります。
過去の問題だけで評価するのではなく、その後の具体的な行動を見ることが重要です。
周囲の意見を確認するときにも丁寧な運用を
問題発生後、企業が職場環境を確認するため、周囲の職員から状況を聞くことがあります。
その際には、「評判が悪い」「怖いと言われている」といった抽象的な評価だけではなく、具体的にどのような行動があったのかを確認することが重要です。
必要に応じて本人にも状況を確認し、具体的な行動を基準として改善状況を見ることで、再発防止のフォローをより公正なものにできます。
異動後に必要な指導まで避ける状態にも注意する
本人が「また問題になったら困る」と考え、必要な業務上のコミュニケーションまで避ける場合があります。
再発防止は、本人を萎縮させることが目的ではありません。
問題となった言動と適切な指導との違いを整理し、職場で必要なコミュニケーションを適切に行えるようになることが重要です。
人事上の対応後に更生カウンセリング研修を活用する
一般社団法人パワーハラスメント防止協会では、異動、役職変更、処分など企業として一定の対応を行った後の再発防止についても、個別の更生カウンセリング研修を実施しています。
企業が行った人事上の判断を評価することが目的ではありません。
その後の本人の行動に焦点を当て、問題となった言動を整理し、新しい職場でどのようなコミュニケーションを実践するのかを考えていきます。
環境を変えて終わるのではなく、行動の変化まで考える
異動や役職変更によって一定の環境調整を行うことと、本人が新しい行動を身につけることは別の取り組みです。
企業として再発を防ぎたいのであれば、必要に応じて両方を組み合わせることができます。
「会社として必要な対応は行った。その次に何をすればよいのか」という段階から、個別の再発防止支援を検討することができます。
異動・処分後の再発防止をご相談ください
人事上の対応後の教育、異動先での行動改善、管理職としての再出発など、企業・団体の状況に合わせて個別支援をご提案します。
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