職場の健全な環境づくりのためのパワハラ加害者への適切な対応方法

Column – 85
【パワハラ加害者・パワハラ行為者への対応方法の豆知識】
職場の健全な環境づくりのためのパワハラ加害者への適切な対応方法

Column – 85

職場のハラスメント、とりわけパワーハラスメント(パワハラ)は、現代社会において重大な問題となっています。被害者の心身の健康を損なうだけでなく、組織全体の信頼や生産性の低下にも直結します。そのため、パワハラ加害者への適切な対応は、被害者の救済のみならず、職場全体の健全化のためにも不可欠です。

本記事では、パワハラ加害者への対応の基本から、実践的なステップ、再発防止の取り組みまでを丁寧に解説します。

 

パワハラの定義と加害者の特徴

パワハラとは、職場において優越的な立場にある人物が、その権力を利用して他者に精神的・肉体的苦痛を与える行為を指します。加害者には、上司だけでなく、同僚や部下であっても状況に応じて該当する場合があります。加害者の特徴としては、自己中心的な考え方、コミュニケーション能力の欠如、ストレス耐性の低さ、感情のコントロールが難しい、権力志向が強いなどが挙げられます。

 

加害者への初期対応の重要性

パワハラの兆候が見られた場合、早期に適切な対応を行うことが重要です。初期対応が遅れることで、被害が拡大するだけでなく、職場全体の雰囲気が悪化し、他の従業員にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

 

  • 事実確認を徹底する: 感情的に判断せず、被害者・加害者双方から公平にヒアリングを行い、状況や背景を明確にします。

  • 証拠の収集: メールやチャット、メモ、録音など、客観的な証拠をしっかりと記録・保存します。

  • 第三者の介入: 直属の上司や人事部、外部の専門家など、中立的な立場の第三者に相談し、調査や対応を依頼します。

 

加害者への指導と改善を促す方法

パワハラ加害者への対応は、単に罰するだけでなく、再発防止や本人の行動変容を促すことも大切です。現状を正しく伝え、具体的な改善策を提示しましょう。

 

  • フィードバックの伝え方:加害者には感情的にならず、事実に基づいて冷静にフィードバックを行います。具体的な言動を指摘し、どのように職場の雰囲気や他者へ影響を与えているかを説明します。

  • 研修やカウンセリングの提案:パワハラ防止のための研修や、必要に応じて専門のカウンセリングを受ける機会を設けます。

  • 定期的なフォローアップ:一度注意して終わりではなく、定期的に言動が改善されているか確認を行い、必要に応じて再度指導を行います。

 

懲戒処分と法的措置

改善が見られない場合や、悪質なケースでは、組織として厳正な対応が求められます。

 

  • 社内規則に基づく懲戒処分:就業規則に則り、減給・出勤停止・降格・解雇などの措置を検討します。

  • 法的措置の検討:被害が重大な場合は、労働局や弁護士などと連携し、民事・刑事の責任追及も視野に入れます。

  • 被害者の保護:加害者と被害者を物理的・業務的に離すなど、二次被害を防ぐ措置もしっかりと講じましょう。

 

組織全体で取り組む再発防止策

パワハラは個人の問題に留まらず、組織文化や職場環境とも密接に関係しています。再発防止のためには、組織全体での取り組みが不可欠です。

 

  • パワハラ防止規定の明確化:就業規則や社内ハンドブックにパワハラ防止の規定を明記し、定期的に周知を行います。

  • 相談窓口の設置と周知:誰もが安心して相談できる窓口を設け、匿名相談も可能な仕組みを整備します。

  • 継続的な研修・教育:すべての従業員を対象に定期的なハラスメント防止研修を実施し、知識と意識の向上を図ります。

  • 組織風土の改善:意見を言いやすい職場づくりや、コミュニケーションの活性化など、オープンでフェアな環境を整えましょう。

 

被害者のサポートとケア

パワハラの現場では、被害者のフォローアップも非常に重要です。被害者が安心して働き続けられるよう、組織全体でケアを行いましょう。

 

  • 心理的ケアの提供:産業カウンセラーやEAP(従業員支援プログラム)を活用し、被害者の心のケアに努めます。

  • 休職や配置転換の検討:状態に応じて、休職や他部署への異動など柔軟な対応を取ります。

  • 復職支援:復職後も定期的に面談を行い、職場適応をサポートします。

 

まとめ

パワハラ加害者への対応は、感情に流されず、客観的かつ組織的に行うことが求められます。そして、加害者本人の行動改善だけでなく、再発防止や職場環境の継続的な見直しが不可欠です。

すべての従業員が安心して働ける職場づくりのために、組織と個人が一丸となって取り組んでいくことが大切です。パワハラのない健全な職場でこそ、個人も組織も最大限の力を発揮できるのです。

 

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