パワハラ通報があった際の適切なパワハラ加害者へのアプローチ

Column – 77
【パワハラ加害者・パワハラ行為者への対応方法の豆知識】
パワハラ通報があった際の適切なパワハラ加害者へのアプローチ

Column – 77

パワーハラスメント(パワハラ)は、現代の職場で深刻な社会問題となっています。従業員が安心して働ける環境づくりには、被害者へのサポートだけでなく、パワハラ加害者への適切なアプローチも不可欠です。

本記事では、パワハラの通報があった際に企業や管理者がどのようにパワハラ加害者と向き合い、再発防止に努めるべきか、その具体的な方法と心構えについて解説します。

 

パワハラ加害者への初期対応の重要性

パワハラの通報があった場合、管理者や人事担当者は迅速かつ冷静に対応する必要があります。ここで大切なのは、「事実確認」と「公正なプロセス」を徹底することです。パワハラ加害者に対しては、感情的にならず、事実をもとにヒアリングを行うことが基本となります。

  • 偏見を持たず話を聞く:加害者とされる人物が本当にパワハラ行為を行ったのか、状況を丁寧に確認します。

  • 守秘義務の遵守:調査に関わる情報は、必要以上に広めないよう徹底し、関係者のプライバシーを守ります。

  • 公平な態度:被害者・加害者双方の話に耳を傾け、一方的な決めつけを避けることが大切です。

 

事実認定と説明責任

事実確認の結果、パワハラ行為が認められた場合、加害者に対する説明責任が発生します。まずは事実を整理し、加害者本人に具体的な内容を伝え、どのような行為がパワハラに該当したのかを明確に説明します。


  • 具体例を示す:どの言動がどのように受け止められたか、できるだけ具体的に伝えます。

  • 企業の方針や就業規則の再確認:会社としてパワハラを容認しない方針があることを改めて示し、本人にも認識させます。

 

加害者の理解と再発防止への働きかけ

単に叱責するのではなく、加害者自身に行動の問題点を理解させ、今後の再発防止につなげることが重要です。そのために効果的なアプローチをいくつか紹介します。


  • 教育・研修の実施:パワハラに関する研修やeラーニングの受講を義務付け、ハラスメントの定義や問題点を再認識してもらいます。

  • カウンセリングや面談:必要に応じて専門のカウンセラーによる面談を設定し、行動変容を促します。

  • 具体的な行動目標の設定:日頃からのコミュニケーションを見直し、どのような言動が望ましいかを一緒に考えます。

 

自覚を促す質問例

  • 自分の言動が相手にどのような影響を与えたと思うか?

  • なぜそのような言い方・振る舞いをしてしまったのか?

  • 今後どのように対応を変えていくべきか?

 

適切な処分とフォローアップ

パワハラの程度や内容によっては、懲戒処分や配置転換などの措置が必要になる場合もあります。処分を下す際は、本人に理由を丁寧に説明し、今後の期待や行動指針も伝えましょう。


  • 処分の透明性:一貫性のある基準を設け、本人にもその基準を説明します。

  • フォローアップの重要性:処分後も定期的に面談を行い、行動の変化や職場への影響を確認します。

 

加害者対応のポイントと注意点

パワハラ加害者へのアプローチで最も重要なのは、「人としての尊厳を尊重しつつ、行為を改めさせること」です。感情的な叱責や人格否定は逆効果を生みやすいため、冷静かつ建設的な対話を心掛けましょう。


  • 公正な姿勢:感情に流されず事実に基づいた対応を行う。

  • 継続的なサポート:加害者の行動改善を見守り、必要に応じてサポートを提供する。

  • 職場全体への働きかけ:加害者個人への対応だけでなく、職場全体でハラスメント防止の意識を高めることも大切です。

 

まとめ:健全な組織づくりのために

パワハラの通報があった場合、被害者のケアだけでなく、加害者に対しても適切なアプローチを取ることが職場の信頼回復と健全化の第一歩です。加害者を単に排除するのではなく、再発防止と成長の機会を与えることが、組織全体の健全な風土づくりにつながります。


職場の誰もが安心して働ける環境を目指して、加害者への対応も人間性を尊重しながら取り組みましょう。適切な教育・指導・フォローアップを重ねることで、ハラスメントのない職場を実現し、働くすべての人々が力を発揮できるようにしていくことが、現代の企業に求められています。

 

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