パワハラ行為者(加害者)対応方法:パワハラの概念

Column – 43
パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識
~パワハラ行為者(加害者)対応方法:パワハラの概念~

Column – 43

パワハラ(パワーハラスメント)と思われる言動を受けた人が担当部署や相談窓口に通報した時に担当者が慌てないためにも、パワハラ(パワーハラスメント)に関する基礎知識を日々確認する習慣をつけることが大切です。パワハラ(パワーハラスメント)という言葉が日常業務の中で聞かれない日はないほどメジャーな言葉になってきました。私たちは状況や言葉に慣れてきた時に最も意識が低下し問題に直面することが多くなると言われています。そこで、「パワハラ加害者(行為者)対応の豆知識ブログ」では今一度基礎に戻ってパワハラ(パワーハラスメント)について理解を深めていきたいと思います。

【目次】

  1. パワーハラスメント(パワハラ)の定義
  2. パワーハラスメント(パワハラ)の定義➀「優越的な関係を背景とした言動」とは
  3. パワーハラスメント(パワハラ)の定義➁「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは
  4. パワーハラスメント(パワハラ)の定義➂「就業環境が害される」とは
  5. まとめ

 1. パワーハラスメント(パワハラ)の定義


■ 厚生労働省によるパワーハラスメント(パワハラ)の定義

職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)は、職場において行われる以下➀~➂までの3つの要素を全て満たすものをいいます。


    ➀ 優越的な関係を背景とした言動であって、
    ➁ 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
    ➂ 労働者の就業環境が害されるもの

■ 厚生労働省によるパワーハラスメント(パワハラ)の定義に含まれないこと

客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)には該当しません。



 2. パワーハラスメント(パワハラ)の定義

➀「優越的な関係を背景とした言動」とは


■ ➀「優越的な関係を背景とした言動」とは

業務を遂行するに当たって、当該言動を受ける労働者が行為者とされる者に対して抵抗や拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるものを指します。


■「蓋然性」とは何か

蓋然性(がいぜんせい): 「ある事が実際に起こるか否かの確実さの度合。確率。」

「蓋然性」とは、つまり、「“NO”と言えない確率が高い」、という意味になります。


出典:広辞苑


 3. パワーハラスメント(パワハラ)の定義

➁「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは


■ ➁「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは

社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指します。


■ ➁「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動の判断基準とは

この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、行為者の関係性等)を総合的に考慮することが適当です。


■ 被害を訴えた側の労働者に問題があった場合

その際には、個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要です。なお、労働者に問題行動があった場合であっても、人格を否定するような言動など業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動がなされれば、当然、職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)に当たり得ます。




 4. パワーハラスメント(パワハラ)の定義

➂「就業環境が害される」とは


■ ➂「就業環境が害される」とは

当該言動により、労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、就業環境が不快なものとなったために能力の発揮に重大な悪影響が生じる等の当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指します。


■ 被害を訴えれば全てパワーハラスメント(パワハラ)になるのか

この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、「同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすることが適当です。


■ 1回であればパワーハラスメント(パワハラ)にはならないのか

言動の頻度や継続性は考慮されますが、強い身体的又は精神的苦痛を与える態様の言動の場合には、1回でも就業環境を害する場合があり得ます。



 5. まとめ

パワーハラスメント(パワハラ)防止等に取り組むためには、事業主、労働者とも厚生労働省によるパワーハラスメント(パワハラ)の定義➀~➂について共通した認識を持つことが重要です。しかし、パワーハラスメント(パワハラ)の概念だけでは、パワーハラスメント(パワハラ)とそれ以外の境界線が曖昧であることは否めません。次回は、パワーハラスメント(パワハラ)の定義➀~➂を更に詳しく読み解いてみましょう。


 最後に

パワーハラスメント(パワハラ)対策でお困りの企業様は、一般社団法人パワーハラスメント防止協会までご連絡ください。パワーハラスメント(パワハラ)加害者(行為者)更生支援研修、パワーハラスメント(パワハラ)防止研修をはじめ、パワーハラスメント(パワハラ)を防止するための各種サービスをご提供しております。日本全国の皆さまからのご連絡をお待ちしております。


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