Column – 81
【パワハラ防止研修お役立ちマニュアル】
講師派遣で実現する!役員向けパワハラ防止研修 成功の要点と事例

現代の企業経営において、パワーハラスメント(以下パワハラ)の防止は義務であり、信頼の礎でもあります。本記事では、特に役員・経営陣向けに外部講師を派遣して実施する研修について、その重要ポイントや実際の成功事例、そして「加害者への対応」に関する知識までをまとめてご紹介します。
トップが「パワハラ撲滅宣言」をすることの重要性
トップ自らが明言することで、組織におけるパワハラ防止が“方針”として明確になります。厚生労働省も、トップメッセージの重要性を強調し、組織の方針を明文化することを推奨しています 。
特に役員や経営層が研修に参加し、自らの言葉で「パワハラを許さない」と宣言する瞬間は、全社員に「リーダーが本気」というメッセージを伝える極めて重要な機会です。
トップが「パワハラ撲滅宣言」をすることで組織にどのようなメリットがあるか

- 心理的安全性の向上:「話してもいい」「報告してもよい」という安心感が醸成されます 。
- 制度の本気度が伝わる:形だけの方針ではなく、経営層が発信することで制度が動き出します 。
- 問題の早期発見・対応:現場で声が上がりやすくなり、未然対策につながります 。
- 企業ブランド向上:法令遵守の姿勢は対外的評価にも影響し、取引先や採用面でも有利になります。
経営陣がパワハラに関する意識を高めることの重要性
役員や経営層は、パワハラの“発生防止”と“事後対応”の両面で中枢を担います。特に中小企業でも2022年から法的義務が拡大し、経営者が率先して対策を整える責任が明確になっています 。
さらに、経営者や役員が自身のマネジメントスタイルを見直し、言動を「人権尊重」「信頼醸成」へと意識変革することは、組織文化の再創造にもつながります 。
経営陣がパワハラに関する意識を高めることのメリット
- 法的リスク軽減:厚労省からの是正勧告や企業名公表のリスクが低減します 。
- 従業員満足度・定着率の向上:心理的安全性が高まることで、離職防止や職場満足度向上に寄与します 。
- 組織風土の刷新:「尊重し合う文化」が根付き、日常のコミュニケーションから変化が生まれます 。
- 対外的信頼の強化:取引先、金融機関、求職者に対して「安心して働ける会社」という印象を与えられます。
講師派遣で研修を実施する際の特長と進め方
ステップ | 内容 |
---|---|
1. | 経営層の方針共有(宣言内容・伝え方の調整) |
2. | 講師派遣による基礎講義(法的視点、定義、6類型など) |
3. | グループ演習・ロールプレイ(役員自らも参加) |
4. | ケーススタディ(実際の場面を想定) |
5. | フォローアップ(全社展開/相談窓口設置)」 |
社外講師を利用するメリットとして、最新の判例知識や客観的立場からの指摘、演習設計の豊富さなどが挙げられます。
成功事例:講師派遣による研修の効果

※企業名は仮称・匿名化しています。
事例① A社(製造業・従業員500名規模)
- 導入:社長・役員による冒頭宣言→社外専門講師による90分研修
- 成果:宣言後アンケートでは「相談しやすくなった」が77%に上昇
- 継続:月例ミーティングで宣言の振り返り+研修資料共有
事例② B社(サービス業・従業員200名)
- 導入:経営層と管理職登壇+ロールプレイ中心の実践型研修
- 成果:研修後3か月以内に相談件数が倍増、早期対応につながった
- 継続:相談件数をKPI化し、経営会議で毎月確認する仕組みを構築
豆知識:パワハラ加害者・行為者への対応ポイント
- 事実確認と面談の実施:当事者本人の言い分を丁寧に聞きつつ、客観的情報も併せて収集。
- 行動修正の機会提供:本人に学び直しを促すため、研修参加やアンガーマネジメントなどを提案。
- 再発防止計画の策定:部署内ルール整備や定期面談で進捗を可視化。
- フォローアップモニタリング:部署の関係者からのアンケートや聴き取りを実施。
- 必要に応じた懲戒措置:改善が見られない場合、就業規則に則って対応。
まとめ

役員・経営陣が中心となり外部講師を招いて実施するパワハラ防止研修は、「本気の意思表明」「見える化された制度」「継続的なフォローアップ」がセットになることで、初動から継続的な効果が期待できます。トップによる宣言と経営層の意識変革が揃い、相談文化や風通しのよい組織文化が生まれ、結果的に法的リスクも軽減、企業価値も高まります。
FAQ
- Q. 役員だけが参加しても有効でしょうか?
- A. 役員参加は強いメッセージになりますが、現場の管理職も同時に巻き込むと効果がより高くなります。
- Q. オンライン研修でも効果はありますか?
- A. オンラインでも専門講師による演習やQ&Aは可能ですが、対面の方が宣言の説得力や一体感は高まります。
- Q. 研修後のフォローアップはどんな頻度がよいですか?
- A. 月1回の振り返りと、必要に応じて四半期レビューが望ましいです。

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