人材を失わない選択肢 ― パワハラ加害者更生カウンセリング研修の成功事例

Column –
【パワハラ加害者・パワハラ行為者への対応方法の豆知識】
人材を失わない選択肢 ― パワハラ加害者更生カウンセリング研修の成功事例

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1. はじめに:なぜ「加害者更生研修」が必要なのか

職場のパワーハラスメント対策は、近年ますます重要性を増しています。多くの企業が防止研修を導入していますが、被害者保護に比べて「加害者側への対応」は十分に行き届いていないのが現状です。

加害者は単に処分される対象ではなく、行動を改善させることで組織にとって再び有用な人材となり得ます。そのためには「再発防止」と「意識改革」を促す仕組みが欠かせません。そこで注目されているのが、一般社団法人パワーハラスメント防止協会が提供する「加害者更生カウンセリング研修です。

 

2. 研修の概要と特徴

この研修は単なる座学やコンプライアンス教育とは異なり、心理的アプローチ行動変容プログラムを組み合わせた独自のプログラムです。

特徴

  • カウンセリング形式:専門カウンセラーが加害者の思考パターンや感情の背景を丁寧に掘り下げる
  • 再発防止プログラム:職場での具体的な言動改善を設計
  • 自己理解と共感力向上:他者視点に立つトレーニングを実施
  • 人事担当者との連携:研修後もフォローアップが可能

従来の「罰則型」の対応とは異なり、行動修正と更生を目的とする点に大きな意義があります。

 

3. 企業が抱える課題と導入の背景

多くの企業が抱える共通の課題は以下の通りです。

  • 加害者を懲戒処分しても、根本的な改善に至らず再発する
  • 有能な人材を失いたくないが、被害者からの不信感が強い
  • 組織として「防止」だけでなく「更生」に取り組む姿勢が求められる

このような課題を背景に、「加害者更生カウンセリング研修」を導入する企業が増えています。

 

4. 実際の導入事例

4-1. 製造業A社のケース

A社では、現場監督者による強圧的な指導が問題化していました。懲戒処分だけでは改善が見られず、協会の研修を導入。

  • カウンセリングを通じて「自分の言葉が部下に与える影響」に気づく
  • 部下に対する感謝を言葉で伝える習慣を身につける

結果として、現場の定着率が向上し、従業員満足度調査でも改善が確認されました。

4-2. IT企業B社のケース

B社では、プロジェクトリーダーが成果主義のあまり過度なプレッシャーを部下に与えていました。

  • 研修を通じて「自分自身がストレスを抱えていたこと」に気づく
  • コミュニケーションの方法を見直し、部下へのフィードバックを建設的に変更

結果、チームの雰囲気が改善し、離職率が低下しました。

4-3. 医療機関C院のケース

C院では、医師による看護師への指示が威圧的で問題視されていました。

  • 医療現場特有の「緊急性」と「人命責任」が背景にあることを理解
  • 感情のコントロール法を習得

研修後は、職場内の人間関係が改善し、患者への対応力にも好影響を与えました。

 

5. 研修による効果と成果

導入企業から報告されている主な効果は次の通りです。

  • 再発防止効果:同様のハラスメント行為が減少
  • 職場環境の改善:従業員の心理的安全性が向上
  • 人材活用の最大化:有能な加害者社員を組織に活かせる
  • 企業の社会的評価向上:CSRやESG経営の一環として評価

 

6. 人事労務担当者の役割と留意点

研修導入を成功させるためには、人事担当者が以下の点に注意する必要があります。

  • 中立的な姿勢:加害者・被害者双方の立場に配慮
  • 継続的フォロー:研修後の行動変容を観察・支援
  • 組織文化との整合性:単発で終わらず、職場全体の風土改革につなげる

人事担当者は単なる調整役ではなく、職場の健全性を守るキーパーソンとして位置づけられます。

 

7. 導入を検討する際のステップ

  1. 現状把握:ハラスメント事案の分析
  2. 協会への相談:研修プログラムの適合性確認
  3. 対象者選定:加害者本人、不適切なマネジメントを行った管理職層も含める
  4. 実施・フォロー:研修後の評価と継続支援

これらのステップを踏むことで、研修効果を最大限に発揮できます。

 

8. まとめ:加害者更生研修の未来と可能性

パワハラは「組織の病理」とも言える課題です。罰則や表面的な教育だけでは根絶できません。

「加害者を更生させる」という取り組みは、企業にとって新たな挑戦であり、同時に人材を守り活かす戦略でもあります。

人事労務担当者は、この加害者更生カウンセリング研修を積極的に活用することで、健全で持続可能な職場環境を構築できるのです。

➡ 詳細は研修をご覧ください。

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